久しぶりのSF。表紙にIrvingのことがかかれてあったので、実はSFであるとは知らずに買った。『犬は勘定に入れません または、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」という不思議な題で翻訳され、2005年のベストミステリにも選ばれている。
今、タイトルが気になって調べたら、“To Say Nothing of the Dog: How We Found the Bishop's Bird Stump at Last”というのが出てきた(今手元にあるBantam Booksのペーパーバックには、この副題部分がない)。まだ80P程度であるが、主人公や登場人物ががどうでもいい言葉遊びばかりなっていて進行がややのろいのが気になる。この辺が英国流の小説の悪いところ。
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- 2009/07/05(日) 23:11:27|
- ホラー・SF
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やはりこういう小説は読み始めると早い。昨晩読み出すと止まらずに午前二時に読了。
主人公は、若いころからプロのポップスターになる夢を捨てきれない29歳の男。同棲している彼女(Alison)から、半年間の間に「まともな仕事」に就くよう最後通告をされる。そこで、一緒に音楽をやってきた仲間と、メジャーデビューのラストチャンスに賭ける。タイトルは、主人公の名前。ややエキセントリックな母が、熱愛するスターと同じ名前を子供につけたくて、McQueenという名の男と結婚したのだと説明されている。
Loserの小説としては一級品であり、それだけで好みではあるが、読み終えてみると力足らずの部分がいくつか目に付く。例えば、それぞれのキャラクターは女性らしい感性がよく出ていると思うし、アルバイトのビデオ屋の様子やレストランの光景もよく書けているが、Alisonや彼女の女友達という「実業」をやっている人々の「仕事」の部分が薄っぺらな記述で、いかにも作者の経験のなさが透けて見えるように思える。それから、作者自身プロのミュージシャンだったはずなのに、コンサートやライブの部分がまるっきり書かれていない。これは、文字で表現することが難しいからなのだろうか。さすがに最後のコンサートは迫力あるシーンを期待していたのだが。個人的な贔屓を含め4.0。
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- 2009/06/28(日) 21:02:44|
- 現代文学・一般
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作者はSleeperというバンドのリード・シンガーだったそうだ。英国ではそれなりに有名なバンドだったらしく、表紙裏の写真もかっこいい。一見ふざけたタイトルで、重たい本の後には軽めのものを、と思って手に取っただけで正直言ってあまり期待はしていなかったものの、これが面白い。とても売り出し中の芸能人が片手間に書いたような作品ではない。
文体もそうだし、主人公が音楽関係者であり、堅い職業の彼女を持っているところとか、Loserが次々に現れてくるところだとか、何とか自分の居心地のいい小さな空間を見つけようとがんばっているところだとか、あちこちにHigh Fidelityを連想させる要素がある(表紙にもあの小説が好きな人はこの本を気に入るはず、とコピーが書かれている)。今日読み始めたばかりだがあっという間に70P進む。
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- 2009/06/24(水) 00:12:37|
- 現代文学・一般
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本日読了。ちょうど一月を要したことになるが、ミステリーとしてのプロット、ストーリー、背景描写、キャラクターのどれをとっても申し分なく、間違いなく時間と金を書けるだけの価値はある本。ただし、読者にも相当の忍耐力と想像力が要求される。それだけに読後の感慨が深い。
本作では主人公Shanはタクマラカン砂漠で、失踪した僧を探すとともに、Lauという女性の教えを受けていた遊牧民族の子供たちの連続殺人犯を見つけることを求められる。Lauとは誰だったのか?なぜ遊牧民の子供(より正確には、中国の政策によって自らが属する一族を失った「みなしご」の子供たち)が次々と殺されるのか?この謎が少しづつわかり始めたあたりから物語りは俄然面白くなってくる。4.5点。
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- 2009/06/21(日) 21:42:27|
- ミステリー・PI
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250P。といってもまだ半分に達していない。重厚な文体、異世界の描写、謎めいて哲学的な会話、極限的な社会環境、と、長く読んでくると息苦しくなるような文章と格闘しつつ少しずつ先に進んでいる。不思議なことに、どんどんペースを上げていくのではなく、あえてそのような「苦しい」読み進め方をするのがこの本には似合っている気がする。読み手が多少なりとも苦しむことで、登場人物たちの業苦をほんのわずか分かち合っているようなつもりになるのかもしれない。いくら大変でもこの本は最初から最後まできちんと読み終わらねばならない。今月一月はこの本とじっくり付き合うことに決める。
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- 2009/06/08(月) 23:28:54|
- ミステリー・PI
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ようやく150P程度。予想通り手こずっているが、毎日こつこつと前へ進む。6月の半ばまでに読み終えればよしとしたい。
今日の新聞にも開放度に関して、ある意味で中国は20年前と何も変わっていない、という記事が掲載されていた。この小説の舞台もごく最近の時代を背景としているが、どこまでが事実でどこまでがフィクションなのだろうか。一年前に上海を訪れたときには、本当に現代の日本と変わらないような印象を持ったのと比べてここに描かれた世界はあまりにギャップがある。
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- 2009/06/01(月) 23:12:42|
- ミステリー・PI
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Skull Mantraの続編であり、それだけで読まずにはいられない本。あの本にもずいぶんてこずったが、これもかなり苦しみそうである。冒頭から、チベットの山岳地帯の強風の中、怪物に子供を襲われた夫妻と邂逅する。いきなりの極限状態!この本を読む読者の99.9%以上にとって極非現実の世界のはずだが、不思議なことに重たいリアリティを感じる。この作者の力はすごい。まだ冒頭の数十ページを読んだところ。
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- 2009/05/22(金) 00:25:37|
- ミステリー・PI
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読了。すばらしい。相当前に出版されているが、今までこの作家を知らなかったことが悔しい。
タイトルのHonk And Hollerは、その後ろのOpening Soonまで含めたところでカフェの名前であり、ベトナム従軍中に下半身不随となった男が経営している。彼の育て親であり、自身が不幸な人生を送ってきた女性が彼を助けて働いている。
このカフェに吸い寄せられるように集まってきたインディアンの血を引く女性や、ベトナムの若者によって、彼らの生活が少しずつ変化していく。彼らはここに集まることで、自分自身と周囲を少しずつ不幸にする反面、もともとその地に暮らしてきた人も含め、誰もが長い間求めてきた安住の地を手にする。誰もがまずしく、不幸で、見かけはぱっとしないが、全体的に不思議なやさしさと美しさに満ちている。この小説には、それぞれのキャラクターの視覚的な描写がほとんどない。優れた物語に共通した、読み手の想像力にに直接働きかける力を持っている。5.0。
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- 2009/05/16(土) 22:03:52|
- 現代文学・一般
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連休中いくつかの本を拾い読みしたが、とうとう集中できないまま終わる。久しぶりに手にした洋書がこれ。邦訳が「ハートブレイク・カフェ」というタイトルで出版されているが、原題に比べてやや格好をつけすぎているように思える。
小さな町の古ぼけたカフェを舞台にした物語で、そこに吹き溜まりのようにLoserたちが集まってくる。この本を選んだのは、単にタイトルが面白かったためであるが、前のPlaying for Pizzaに続いて夢破れた人々が世間の片隅に小さな自分の居場所を見つける、という私の好みのテーマの話であり、またしても序盤から期待が高まる。まだ50Pを読んだところだが。
今年は良書の当たり年。
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- 2009/05/13(水) 00:16:38|
- 現代文学・一般
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久しぶりに読み出したら止まらない本に出会った。前の日に100Pほど読んで、昨日はとうとう夜中までかかって全部読んでしまった。
グリシャムはあまりにポピュラーすぎてこれまで敬遠していた作家の一人。本書も、検索すると予想通りに『奇跡のタッチダウン』、(ゴマブックス)というタイトルで邦訳が出ている。また、映画化されたというニュースもある(この映画は、たぶんヒットすると思う)。見えているとおりにストーリーが展開して、登場人物の(ほとんど)誰も彼もがHappyで終わる、という話をここまで面白くできる力はさすが。アメフトの専門的な用語がわからないためいまいち試合の展開についていけないのがくやしい。
このストーリーを通俗、という人がいると思うが、個人的に「敗者復活」の物語には肩入れしてしまう。フットボールのプロの世界で生きていけなかったLoserが、イタリアでようやく自分の居場所を見つける、という物語は、Hornbyの小説に通じるものがある。今年読んだ中で最高のヒット。
予想外にこれを早く読み終えたため、GW期間中はしばらく日本の本を読むことにする。
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- 2009/05/04(月) 01:08:28|
- 現代文学・一般
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